その場でスナップ感覚で集合写真を撮る時。
自然な写りを意識して背景光とマッチングなんて考えていたら集合写真的にはあまり良い結果は望めません。
背景光で十分だとカメラとストロボが判断し、ストロボ光を少なく出すので、中途半端な写真になります。最後列など変な色になったりします。
最後列は、背の高い人。結果、蛍光灯に顔が近くなる。背の高い人は父親。顔の色が濃い。
だから最悪。
ではどうしたらいいの?
背景光を殺すんです。
具体的には、ISO感度を100とか400とかに下げます。
例えばISO800でF2.8で125分の1に設定していた場合。
ISO100にするとF2.8で15分の1になる。それをF8にすると2分の1。
現実的でない。だからISO400に設定。するとF8で8分の1。背景光はF5.6で15分の1。
カメラの設定はマニュアルでF5.6の60分の1。
背景光とストロボ光の差は2段階。2絞り分、光の量で言うと4分の1の差。
そうなるとストロボは自身の出す光だけで適正露出を出そうとがんばり補助光ではなく主光源として強い光を出す。結果、中途半端な蛍光灯などの室内光は消し去られきれいなストロボ光のかちっとした写真になります。
集合写真を正式な物として受注した場合。けっしてカメラに付ける携帯ストロボは使いませんが、応急的にはこの方法だと思います。
集合に限らず、前列、後列と幅がある場合も当てはまります。
前列はどうにかなっても後列はより背景光の割合が強くなりストロボ光が少なく、変な写りになります。見た目は雰囲気が良くきれいですが眠い写真。
実際に撮ってみました。
ISI400
ISO1000
ISO400
ISO1000
このサンプルではISO1000の方が明るくてきれいに見えるかもしれません。
拡大するとよくわかるのですが、ISO1000の方はさらっとしていて肉乗りがあまり良くありません。
ISO400の人物の顔の色がISO1000よりも濃いのはそれだけ色のデーターが詰まっているという事。
言い換えれば土台がしっかりしているという事です。
ISO1000の実例の様に背景光とストロボ光が調和してしまった場合、カメラからより遠い後列等、ストロボ光より背景光が強くなった光の配分では、前列よりも後列は水で延ばした水彩絵の具の様に彩度が薄くなります。
室内でのストロボを使ったスナップでは他に天井バウンス、わざと感度を上げ自然になど臨機応変に立ち回ります。ここでの取り方は集合での考え方の一つです。
御参考に。