NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で「疾走、あんこ道~菓子職人・小幡寿康~」という番組を放送していました。
そこで紹介されていた「あんこ」の炊き方をメモがてらこのブログに書いておきます。
小豆は白いへその部分からしか水を吸収しない。
王道のやり方は、水洗い後、煮始め、最初の煮汁はアクが出るから捨てて、新しい水で煮始める(渋きり)が小豆を炊く際の王道。
しかし小幡寿康流は。
1.豆殺し
ボウルや鍋に小豆を入れ、小豆にたっぷりの沸騰した熱湯を注ぐ。
テレビでは、大きな泡立て器でかき混ぜていました。その後、ざるにあける。
※熱湯の量は、季節、外気温によって調節する。
この工程は、小豆のアク(シアン化合物)を抑える効果があるそうです。
小幡さんの言葉では、小豆を火傷(やけど)させると言っています。この豆殺しをすることでアクが出ず、長時間炊く必要がなくなるので小豆本来の風味が損なわれなくなります。
ネットで調べた情報では、この段階でざるに開けた小豆に熱湯をかけて洗っています
2.へそ外し
小豆にある芽がでる部分を「へそ」と呼びますが、そのへそを取る工程です。
通常は、このへそも一緒にあんこに含まれていますが、へそがあると雑味の元になります。
そこで、小幡流はこのへそを取り除くことで雑味を除去しています。
へそ外しの方法は、豆殺しをした小豆を沸騰させないように炊いていきます。
※沸騰させてしまうと皮が破けてしまう。
大きな鍋にたっぷりの水を入れ、ざるに開けた、豆殺しをした小豆を入れる
沸騰させないように、強火と弱火をくりかえす。
番組では、豆同士がこすれあうわずかな音に耳を傾けある瞬間を待つ
静かに火を通すこと15分。
まだ煮え切っていない豆をざるへ上げる
他のテレビで小幡寿康が行っていた方法は、沸騰したら火を止め、保温。これを5〜6回繰り返す。
35分という書き込みもちらほら。
このへそ外しをすると小豆の中に熱が通りやすくなる効果もあるので、この後の炊く工程の時間短縮になります。
小豆の炊き具合をみながら、へそがとれたらザルにあげて茹で汁は捨てる。鍋の底にはとれたへそがたまっています。
強火、沸騰直前に火を消す、再び火をつけ、沸騰直前に火を止めを繰り返した小幡さんの他のテレビでのあんこ作りも場面も見ました。
へそ外しのことがよくわからない。
実際にやってみるとテレビの様に「へそ外し」ができない
疑心暗鬼になりながら、小豆の状態を見て、へそが小豆から剥がれかかった状態でやめておきました。
この状態の鍋の中の汁は、小豆の良い匂いにあふれています。
それが液に流れ出し、旨味が失われています。
違うと思いました。
番組で言っている「取り除くへそ」というのが小豆のへその部分にある「白い筋」のことをいうなら、強火、弱火を繰り返した35分くらいの間ですでに終わっています。ここで煮すぎて、小豆のおいしさ香りを逃すのも理にかなってない。白い筋が取れたらOKということなのかも。
番組では、豆通しがこすれあうわずかな音と言ってました。
ということは、豆の表面が硬いからこすれあう音が聞こえるのだと思うから「白い筋」のことを言っているのかもしれません。
豆が水分を吸って柔らかくなっていると、テレビで小幡寿康さんが言うこすれあう音は聞こえないはずです。
こちらのページに放送された画像のキャプチャが掲載されています
画像のとれたへそは、白いかさぶたのようなもの
なのでへそとは、「白い筋」のことかな
小豆のへその部分は、豆の中で一番硬い部分。ここが剥がれるということは、かなり煮込まないとダメ。
そう考えると、上の写真のように白いかさぶたのようなものが取れたことが「へそ外し」というのだと思います。
3.小豆の炊き上げ
この時のお湯の量は、鍋底から1寸5分(約5cm)が目安。その中にざるにあげた小豆を入れる
テレビではそう言っていたように思っています
この時の水の量もせっかくの小豆の美味しさが水に溶け出してしまう様な気がして、小豆の表面ひたひたか、1cmほど上で良いのかもしれません。
足りなければ、足しながら煮る。
小豆の中まで熱が通ればOK。へそ外しをしてあるので熱が通りやすいので、4分~5分で炊きあがる。
と番組では言っていましたが、もっと時間がかかります
小豆を取り出し様子を見て火を止めます
4.蒸らし
火を止め、炊き上げた小豆を蒸らして、よりふっくらとさせます。蒸らしは、3分程度でOK。
鍋の中に顔を近づけると、小豆の美味しい香りに満ちています。
5.砂糖投入
蒸らしが終わった小豆に小豆と同量の砂糖をいれます。
砂糖の量は、基本的には小豆と同量をいれますが、あんこの使い道や自分の好みで量を調節します。
同量だと甘すぎて辛いと感じました。
砂糖は、上白糖で問題ありません。
砂糖を入れてかき混ぜる時も、ゆっくりと優しく混ぜることがポイントです。
火をつけているので常に優しくかき混ぜる。
砂糖を入れて、おいしそうなてりがでてあんこの完成
火にかけながら、ゆっくりと木べらで混ぜる
炊き上げ、蒸らしが終わって、そのまま砂糖を投入するなら水分量が多くなるので、焦げない等にゆっくり丁寧に火をかけながらかき混ぜ、程よい固さになるまで水分を飛ばす。
その方法をするなら、炊き上げ時の水分量はひたひたが良いのかもしれません。
その場合、つきっきりになりますが