写真の話。
目の前の事や物や出来事に感動してシャッターを押す。
ネガの頃は現像してみないとわからない。
少し経って、記憶に残っている色や景色が自分の中で少しだけ熟成されている。
その時に感じたものは記憶色。
記憶と実際にプリントされてきた色の違いを見て感動。
それが楽しみでもありました。
旅行先で見た花の色、食べた料理の野菜の色、肉や魚の色、臭いなどその時見たものは全て脳に舌に記憶され自分の中でそれぞれの色に変化し美化され残る。
そして写真で撮ったものは、プリントされて記憶で思い込んでいた色とはまた違う色で目の前に出てきて感動する。
なぜ白黒写真が今でも人気があるのか?
人それぞれに記憶色があり自分の心の中で色をつけている。
白黒写真は色を押し付けない。
デジタルになってせっかちになっていないだろうか?
撮った写真の色が実際と違うからRawで徹底的に補正する。
目の前に提示されたら徹底的にオリジナルに忠実にしないと気が済まない生真面目な日本人。
忠実ってそんなに大事?
人間なんだから記憶色でいいじゃないのか?
正確な色を再現する必要があるのか?
なぜFUJIFILMだけが記憶色を前面に押し出しているのか?
昔はFUJI、コニカ、コダックがプリントメーカー。
今はFUJIだけ。
発売されていたネガやリバーサルフィルム。それぞれのメーカー、そのメーカーの中のフィルムの種類によっても全部癖のある色をわざとつけていた。
銀塩プリント時のソフトも万人の記憶色に近づけるために偏った色を加味しています。
忠実な色再現は、きれいではない。
人の記憶色は美しい色に加味され記憶されている。
それに近づけ、さらなる驚きと感動をプリントを手にした瞬間に感じてもらうため、フジは記憶色を大事にしている。
長年の研究で作り上げてきた、それぞれのフィルムの色のくせ。
それを再現したフィルムシミュレーション。
FUJIのカメラにはそれがある。
Raw現像など必要としないように、撮って出しで記憶色を出してくる。
何十年も記憶色を考え研究してきたFUJIだからできること。
記憶色。
改めて考えてみるのも良いと思う。